産後の腰痛とは、妊娠中の反り腰姿勢、

ホルモンによる関節の弛緩、

出産時の骨盤への物理的ダメージ、

そして産後の不自然な育児姿勢が

重なり合って起こる、

腰部・骨盤周辺の不調の総称です。

• 骨盤帯痛（仙腸関節・恥骨結合由来）: 骨盤のつなぎ目を中心に起こる痛み。歩行時や寝返り時に顕著。

• 筋・筋膜性腰痛: 抱っこ等による筋肉疲労。背中から腰にかけての張り。

• 内臓・靭帯性腰痛: 子宮や腸の位置変化が腰椎を牽引して起こる痛み。

• 硬膜・神経由来: 脳脊髄液の循環不全や神経圧迫による、しびれや深い痛み。

• 瘢痕由来: 切開傷の癒着が膜を引っ張り、動作制限を作るもの。

• 腹圧不全（腹直筋離開）: インナーユニットの機能低下による体幹の不安定。

病院の検査で「異常なし」と言われるのは、

骨折や神経脱落がないという確認に過ぎません。

しかし、産後のママの体は、

もっと微細で複雑な「機能的異常」に

さらされています。

当院では、レントゲンには写らない

内臓の重みの偏り、膜の数ミリのひきつれ、

関節の遊びの消失を手の感覚で特定します。

産後の腰痛を「腰だけの問題」とせず、

出産の衝撃を受けた頭蓋骨から、

赤ちゃんの重みを支える足首まで、

全身を一つのユニットとして

整えることができるのが当院の強みです。

オステオパシー的アプローチは、

単なる筋肉の揉みほぐしとは異なり、

身体の自己治癒力を

最大限に引き出す手法として

世界的に認められています。

≪研究成果の要約≫

産後の腰痛・骨盤痛を抱える女性を

対象とした研究では、

標準的なケアに加えて

オステオパシーを

受けたグループは、

受けていないグループと比較して、

統計的に有意に痛みと

日常生活の障害が改善したことが

報告されています。

特に多角的な組織

（内臓・筋膜・関節）への

アプローチが、

産後の急激な構造変化に適応する

身体を助けることが示唆されています。

参考文献：『Osteopathic Manipulative Therapy in Women With Postpartum Low Back Pain and Disability: A Pragmatic Randomized Controlled Trial』